明けましておめでとうございます。平成24年の元日に当たり私どもを支えて下さる皆様に心から感謝申し上げます。 昨年は3月11日に東日本大震災に襲われ日本中が復興と復旧に明けくれた年となりました。茨城県も大きな被害を受けて、この先復興にどの位かかるか予測できない状況にあります。茨城には東海原発があります。安全神話が脆くも崩れ、一度事故が起これば何十年もその影響を受けることが分かりました。エネルギーは無尽蔵ではありません。 何ら疑問を感じないで電気を自由に使ってきた結果、様々な問題が出てきました。我々一人一人がもう一度自分達の足元を見つめ、自分達で出来る事は何かを考えなければなりません。 日本の社会保障制度は大きな転換期に来ています。年金・介護・子育て・医療・福祉とどれを取ってみても問題が山積しています。国の借金が世界の中で抜きんでて多く、これら全ていずれ返さないとならないものです。今生きる私達が自分達のためにだけお金を使って、そのツケを次の世代にまわすという事を現にしているのです。そして、政治が本腰をいれて改革しようとする気概を感じません。 SJKネットサービスは地域との共生を掲げています。持ちつ持たれつの関係を築き、誰もが住みやすい地域にしたいという願いを持っています。 どうか、今後とも皆様のご理解の程、重ねてお願い申し上げます。 |
神宮寺のご本尊は地蔵菩薩です。この菩薩は釈尊が入滅した後、56億7千万年の後に出現する弥勒菩薩まで衆生救済の為に現れたと言われます。地蔵の意味は「大地が全ての命を育む力を蔵するように、苦悩する人々を無限の大慈悲の心で包み込み救う」という。 まさに、神宮寺に於いて障害を持つ人達が生活することは理想の姿と言えます。 今では150名を超える人達が利用されています。ただ、個々の願いは其々が違います。その全てに応えることは到底無理な事、ですから毎日が反省の繰り返しです。神宮寺は創建から約600年が経ちます。尚恵学園は56年目、長い歴史の1割といった処です。ご本尊がいつも見守ってくれていると実感します。 地域の皆さまにも幸多かれと祈っております。 |
観音寺のご本尊は観音菩薩です。観音さまは33種に容を変え智恵をもって全てを観照し、世の人々を救うと言われます。昔から日本では観音信仰が盛んで真言宗豊山派の総本山長谷寺(奈良)は西国三十三観音霊場の八番目です。 寺号を観音寺と言うように、創建来、本尊としてまつられてきたのです。 SJKネットサービスのKにあたる観音寺は、現在、境内地に「まんだらパン工房」があり、所有地をGH三か所と農場に提供しています。鐘楼が五年前に建立され、現在は昼の12時と午後6時に仲間達で毎日梵鐘をついています。 神宮寺と共に神立の地にあって皆さまに愛されるお寺を目指しています。 |
尚恵学園は昭和31年(1956年)開設ですから56年目になります。現在、障害者支援施設2か所と多機能型支援施設1か所、GH&CHが8か所、相談支援事業等を行っています。利用者は常時160名を超えています。それを支えるスタッフは約90名、学生VSなどの協力を得ながらニーズになるべく応えるよう日々頑張っています。 国の制度改革の動向は、一進一退、正直今もってハッキリとした形が示されません。 ただ、私たち現場に携わる者にとって一時たりとも立ち止まることは許されません。利用者の方々の高齢化や体力の衰えは進んでいますし、緊急時の利用を希望される方も増えています。障害の内容も多岐にわたっており、その特性に応じた専門的な対応が要求されます。 法人の進むべき方向を示し、それにスタッフが一丸となって取り組むことが重要に思います。 昨年は7つの委員会を作り、それぞれの課題に対する検討を重ねてきました。それとキャリアパスの制度を取り入れ、スタッフの職能向上と処遇の改善を図る努力もしてきました。 家族の皆さん! 今までの施設は「親の願い」、これからの施設は「本人の願い」という事が言われ続けています。果たしてこの両者に差があるのでしょうか? 親が子の代弁者となり得るか?成年後見制度や虐待防止法の中身を見るとどうも一体では無いように受け取られています。ここは一番、我々と共に真剣に取り組んでいきましょう。必ずやその結果が出ると思います。 |
スタッフの皆さんへ! 仕事に喜びを感じていますか? 日々の仕事に新鮮味を感ぜず、決まった仕事を何の疑問も持たずになんとなくこなしていることは無いですか? 福祉の仕事は継続です。それと一番大切な事は、感動と共感だと思います。利用者さんから「・・・・したいな!」と言われた時、貴方はどうしてますか?「あとでね。」「この前やったばかりでしょう。」と無意識に返事をしていませんか。 パニックになって大騒ぎした利用者さんに貴方はどんな対応をするでしょう。こちらがこうして貰いたいと思ったときに、全く意に介さず無視されたとき、どうしますか? 日常繰り返されるこのような場面で、この仕事の難しさを感じていると思います。 制度がどのように変わろうと日々繰り返されるこれらの事柄に変化はありません。何故でしょうね。 国連の障害者権利条約を未だ日本は批准していません。虐待防止法一つとってみても、この国の特殊な事情が見えてきます。我々施設に対するものと教育や医療現場での対応に微妙な違いがあります。 これは何を意味しているのでしょうね。それと、成年後見の仕組みについても、今、憲法違反だという訴訟問題が起こりました。それは後見を受けると選挙権が自動的に無くなるということへの反発です。 平成25年の8月に本当に障害者総合福祉法ができるのでしょうか?噂ではつなぎ法と大差なく、障害者自立支援法の存続という最悪の結果になるのではないかと言われてもいます。 理念先行で実践に結びつかないのではないかと危惧されます。その一番の原因が財源問題で社会保障費の自然増加分の確保すら覚束ない状況があるからです。 ここ数年は一部改正でどうにか繋いできたわけで、全てが時限立法で持続可能な制度になっていないのです。 ここに今の日本の抱える大きな問題がありますね。 スタッフの皆さんにも同じく考えて欲しいと思います。その一番目は、何かを行うときの”覚悟”がありますか? ややもすれば、最初から出来ない言い訳を考えていないでしょうか? どうすれば実現できるかという確たる根拠と自ら汗をかく強い意志があるか。 情報が多い割には、具体的に何をするかが決められない。これでは画餅に帰す以下です。 2番目に、自らできないと思ったときに”学ぼう”とする気概があるか?ということです。失敗を経験し、学ぶことが多い仕事ですから、その姿勢が大切だということです。 3番目には、積極的に仲間作りをしているか? 我が道を歩むだけでは、よい仕事は無理です。 震災後、日本人は自らの生き方を反省し、新たな道を模索始めたと言われます。それに乗り遅れない各自の気概と覚悟を見せて貰いたい。それを皆さんにお願いする次第です。 (理事長 住田福祉)2012・元旦 |